十人十色

スーツ姿の男性は大きな声でまくしたてていたが、適度に交わしていた。

時間近くになる頃は小さな待ち合わせ室はいっぱいに。

約20人。

老若男女。（やはり20代が多い）

若い女性もちらほら。
最近は女性の酒気帯びが多いらしいです。

あっけないほど質素な長机にパイプ椅子。
横並びに検察官。

そこに順番に並んで事実確認。

「あー、運が悪かったかなぁ・・・」
「まぁ、罰金払えば終わりですから」

「…略式裁判が…（形式どおりの説明）」

申し訳なさそうに検査官が番号札を差し出す。

隣の席ではスーツ姿の男性。

「あんたね、前も罰金払ってるでしょう？」
「▲□×☆（意味不明）」

常習犯なわけね。

＿＿＿＿＿＿＿＿

ロビーの待合室で待っていると…

男性が一人入ってくる。
いかにも営業然としたスーツを着て、ちょっと薄い髪を中途半端に伸ばし色白。

入り口にある看板を見ながらニヤニヤ…

時間は9時20分

時計を見てまた、ニヤニヤ…

また看板（手続きの説明書き）を見てニヤニヤ…。

待合室に続く廊下をチラっと見てまたニヤニヤ…。

「遅れてきて、なに二やついてんだ」

ちょっとイラッとする。

「あんた今来たの？」
「受付はこの奥ですよ」

朝のおじさんが少しキツイ口調で言うと、その男性は返事もせずに

ニヤニヤ…。

そのまま受付会場に…。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

その後も数人が平然と遅れてやってきました。

反省の色ゼロですか？